【ブランディング~STORYBookという名の冊子制作】
ようやく完成しましたハンドメイドアクセサリーFiore di Pesca【フィオーレ・ディ・ペスカ】のSTORYBook。
ここではブランディングについてお伝えします。ご自身のブランドをどうしたらいいかわからない…と迷走気味の方もご参考になればと思います。
もちろんクリエイティブ全体を何とかしたい!ということでしたらお気軽にお問合せください。
■改善点と強みを見つける
こちらのハンドメイドアクセサリーはCD兼Copywriterの私が1ユーザーとして関わってきて3年。
何が魅力で、何が不足しているか?愛をもって観察してきました。
改善点は、脈略なくアイテムのシリーズがあったこと。
それらのネーミングも統一性なくバラバラで、作りたいから作ってみたら売れた…というのをいったん立ち止まって、全部を括れるような世界観を創ることが必要だと感じました。
反して強みは、手ごろな価格とありそうでないデザイン。ヨーロピアンマダムをお手本にしているのも今の50代女性にとってはオシャレのお手本にしたい印象。自分らしく、かっこよく、似合うものを自由に組み合わせて身に着けるヨーロッパマダムの生き方。
そんな憧れを日本の日常に、根付かせたいと感じました。
■コンセプトをつくる
50代に差し掛かる年代がメインターゲットなので(もちろん、その上60代の方も似合う)選ぶ目の肥えた大人世代に響くメッセージが必要。また、アクセサリーそのものを表現するというより、毎日どのようにそのブランドのアイテムを位置づけたいのか?を語るべきと考えました。
ピアス、ネックレス、ブレスレット、シュシュ。リング以外のアイテムがいろいろなデザインであります。それら一つひとつを括れるような世界観。どんなのが合うのだろう?とさんざん考えた結果、このアクセサリーを着けることは、「日常で花を愛でる気持ちと同じだ」と気づいたのです。
切り花も鉢植えも、毎日そこにあるだけで心がぽっと明るくなります。
かわいいし、気分が上がる。季節を感じられて、いろいろな表情をもつ無数の花々。
その花と、このブランドのアイテムを結びつければ、感度の高い女性には届くものになるのでは?
そんなわけでコンセプトは、
『花のように生きる人へ。』
にしました。手紙の宛名みたいですが、含んでいる意味は
【存在するだけで和むもの・気分をあげるカラフルさ・50代こそ女性が花開く季節】など複数秘めています。
そしてそこからうまれたブランドのショルダーコピーは、
『お気に入りの普段を咲かせます。』
に決めました。わかりやすく、独りよがりにならず、等身大の自分でありながら
ちょっと遊びココロもある言葉に着地できました。
■選りすぐりの6アイテムにSTORYを添える
たくさんあるアイテムは、売れ線と在庫の様子から絞り込みました。
女性の名前や、技法などなんとなく付けただけのバラバラなネーミングをどのように括るのが良いか?どのように見せるのが効果的か?
カタログならwebでバラエティを見せられます。カタログではない女性のストーリーを語るものにしたいと考えました。
なぜなら、この時代にモノは溢れていますし、このアイテムがどのような女性を想定して創っているか?を伝えるべきだと思ったからです。ただ気を付けないとならなかったのは、創っている作家自身のリアルな話ではなく、各章ごとに登場するのは、似たような感性を持つ「ある女性」を想定したショートストーリーです。
心身ともに揺らぐ年頃の女性が、このアイテムを選ぶ理由。
どんなライフスタイルを送り、何を好む人か?など具体的に描きました。
各アイテムが魅力的に映えるよう、人物を投影した形で伝えています。
30代、40代の頃は、50代なんておばあさんだ!と思っていたのが50代は一番自由で、新しいスタートを切れる充実した年齢であることを実感しています。
心身共に豊かな時間を過ごして、次のステージも新たなことを始めよう!
そんな元気な50代へお伝えしたいSTORYBookであります。
以上、改めてオールスタッフの皆様に感謝を込めて。
2021年6月吉日
Client:Fiore di Pesca 熊田和美
企画編集:有限会社マザール
CreativeDirector:あべみちこ
Copywriter:あべみちこ
GraphicDesigner:KURIWORKS
Photographer:楠聖子(P1.P5-6.WanDelenを除く)