知りたい情報は、自分で選択する。親として今できることを。
このたびは10月25日に開催致しました放射能対策講演会へお越し頂きまして誠にありがとうございました。
マザールは今春8年目を迎える小さな有限会社で、お母さん対象の情報、モノ、場を企画しています。
実は私がこの講演会を企画したのには2つ理由があります。
ひとつは、9月5日に横浜市主催の放射能講演会に参加し、まったく得たい情報が得られなかっただけでなく質疑応答がごっそりなくされたこと。パネラー陣の不可解なコーディネート、根拠のない安全を説く司会進行に憤りを感じました。一方的な偏向情報を刷りこもうとする意図も不思議で、市民とコミュニケーションを取ろうとしない林文子市長にもがっかりしました。
そこで、「とにかく行政はあてにしないで手づくりで、自分たちが聞きたいこと、ほしい情報を得られる機会を設けよう」という思いに至りました。何でもいいから日々の手がかりが欲しい指標がほしい。そう考える方々が講演会へお越し頂いたのだと思います。
もうひとつは、9月11日に武田邦彦先生にインタビュー取材を行った際、くだんの横浜市主催の放射能講演会で発表されたことの問題点をあぶりだしていただきながら、やはり武田先生のこのお話しを文字にするだけでなく、皆で直に聞けてシェアする時間がほしいと感じたからです。
とても強行なスケジュールでしたが、武田先生はすぐにその場で10月25日であれば都合がつけられるよと即答してくださり、まさにその日のうちから講演会準備が始まりました。会場探し、企画の内容、先生方のコーディネート、関わる人すべてとの打ち合わせなど、今ここで見えない小さな準備や工夫がたくさんございましたが、関わってくださる「子どもたちを放射能から守っていこう」と考える、お一人お一人の強い思いに支えられて無事に講演会開催できましたことを深く感謝申し上げます。
補足ですが元気だった私の両親が、3.11以降急激に体調を崩しました。
講演会前日に父が手術。翌日に母が手術。なんの因果かこの講演会を挟んで一大事となってしまいました。
特に、母は病名も症状も例のないものだと、医者に知らされました。
健康を損ねる力が、放射能にはあります。その因果関係は誰もまだわからないことだらけです。わからないことなのにニコニコしてれば放射能は近づかないなどと霊媒師のようなことをいう学者もおられますがまったくもって科学的な分析とは思えません。私たちは知らないことを誰かに教えてもらうだけでなく自分で知ろうとすること。自分で選択すること。これから何をするのでも、そういうことが必要になります。
誰も神様でも救世主でもありません。ただ、心ある人がつながっていける、何かの気づきの場になる、
そんな時間を過ごせるようこれからも取り組んで参ります。
ひとりの母親として放射能問題を傍観していられず、今回の講演会は、はじめの一歩です。
今回の続きとして第二弾の放射能対策講演会企画も準備をはじめます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
あべみちこの母は、2011年11月29日に他界致しましたことをここにご報告させて頂きます。
有限会社マザール
代表 あべみちこ
マザール代表/コピーライター&クリエーティブディレクター
母対象の情報、モノ、場をうみだす企画会社マザールを2004年起業。従来の広告スタイルにこだわらず、主婦向けブランドやコミュニティを開発し、元気で笑顔になるプロジェクトを多数手がける。子育て、教育、環境など社会的問題に着眼したテーマを設定し、雑誌やウェブで執筆、インタビュアーとして活動。母向けのワークショップ、講演会、コンサート企画などを通じて、横のつながりをもてる交流の場を考案。著書に食と絵本を楽しむ「ものがたりレシピ」(幻冬舎)、「たべものかるた」(ほるぷ出版)、「赤ちゃん絵本ノート」(マーブルトロン)など。絵本評論や物語創作、親子対象の絵本お話し会などボランティア活動も行う。