みんキチVol.13│生物好きから植物愛好家へ。目に見えない存在と対峙する。


植物雑貨クリエーター
植物雑貨店fluff(フラフ)
店主・佐々木しのぶさん


1970年生まれ。横須賀生まれ、横須賀育ち。専業主婦を経て、植物雑貨クリエーターの資格を2023年8月取得。fluff(フラフ)は、たんぽぽの綿毛、わたぼこりの意味。ドライフラワー、プリザーブドフラワー、引き揃え糸をつかってのものづくり。時間の経過と共に変化する自然の力をいかす植物クリエーター。幼少期から現在にかけて、自身に降りかかる病を奇跡的に何度も克服し、スピリチュアルに目覚める。現在はマルシェに出店して販売を行う。

今回ご紹介する、しのぶさんは4月29日に東浦賀で開催した『魔女の日前夜祭』でご一緒した作家さんのお一人。個性豊かなクリエイターが集まったイベントで作品はもとより、それを制作している人が皆ユニークな人揃い。植物雑貨クリエーターを名乗るしのぶさんの作品は、小さな器に植物をあつらえ盆栽のようにも見える。その不思議な魅力は人物にも。グレイッシュなヘアスタイルに艶やかなお肌は年齢不詳で色っぽい。そんな謎めいているしのぶさんに作品づくりと、ご自身について語ってもらった。

病を越えて、2人の子どもと対峙してきた。

—-生粋の横須賀人と伺いました。先祖代々、浦賀ですか?

新潟出身の父方祖父は、浦賀の造船所に勤めていて、父も住友重機勤務でした。新潟出身の母とお見合い結婚。3代続けてずっと浦賀ですね。

—植物雑貨クリエーターを名乗りだしてどのくらいになりますか?

2年ほど前からです。始めてすぐ顔面麻痺になってしまい、しばらく中断していました。今も顔面麻痺が残っていて、左顔面の後遺症が痛みます。関連があるかわからないけれど、顔面麻痺になる1か前、新型コロナに罹患。治って1か月後に顔の左半分が引きつって動かないことに気づいて病院へ。医師から処方された薬とマッサージで1年間治療を続けていた。医師はコロナ罹患とは関連なしと言えども、私は関連あると思っています。

—それは大変でしたね。体力落ちていると誰でも罹患しますよね。

顔の左側が麻痺して、咀嚼が困った。歯磨きで口に含んだ水とかもぴゅっと出ちゃう。瞬きができないから目が乾くし。飼っている猫が触って壊さないように、小さな植物の作品ですが目を酷使する。顔面麻痺になって、しばらく休んでいました。今年1月5日のニューイヤーコンサートに出店させてもらうことになって復活しました。

—最近復活されたばかりなんですね。もともと専業主婦でいらしたとか?

そうです。それもいろいろあって。仕事に出たいと思った時に、息子がテンカンの発作を起こし、今はこの子と向き合わないといけないと思った。医者には「今まで発作起きなくてラッキーでしたね。先天性テンカンですよ」と。小学1年生の時に初めて発作が起きて救急車を呼んで知ったことでした。運よく薬も合って発作は起きなくなりましたが、ゲームは禁止。ゲームの画面は発作を誘発してしまうから。我慢して別の工作や図鑑を読むなど、違う遊びをして過ごしていました。喘息も持病でしたから発作が起こると1週間は学校を休まなくてはならず、お友達もいなかった。

3つ上の娘は引っ越してから適応障害に。変化に敏感な子でした。学校へあがってからも様子見もあって、絵本の読み聞かせボランティアをしたり。今は娘が27歳、息子が25歳です。娘は中学時代に不登校経験がありました。提出物が出せないことで本人の苦しみが少しでも取り除けたらと児相に行き、テストを受けたら発達障害の疑いがあると言われました。運よく高校に進学できましたが、そこでも提出物問題にぶつかり。専門学校の時にもまだ苦しんでいたので鎌倉にある専門機関へ行って診断を仰いだら、発達障害と学習障害を抱えていることがわかった。学習レベルは中3程度。計算ができなかったので、できることをすればいいんだと子育ても変えていきました。今はフリーランスで接客の仕事をしています。

生物好きが嵩じて植物雑貨クリエーターという職業へ

—ご自身のことだけでなく、2人のお子さんで気を揉むことが多かったのですね。なぜ植物雑貨クリエーターの道へ?

不思議ですが昔から植物が好き。自然豊かなところにいたせいか。一番のきっかけは最初の妊娠出産。それまでは全然でしたが、急に変わってガーデニングに目覚めた。凝り性だから広く浅くですが、植物についても調べた。人通り沿いに家があったので道行く人が「綺麗ね」と褒めてくれるのも励みになって。よその人の庭をみるのも好きです。

—私も花が好きで自己流で鉢植えですけれどたくさん育てています。花は魔除けですね。何か資格が必要なんですか?

植物雑貨クリエーターという資格です。ブーケやキャンドルを作る通信教育で取りました。名刺で肩書きがつくといいかなと。お友達に誘われて月1回、教室でリースやスワッグを作ってきていたので資格なんて要らないかなと思いましたが。

—私も好きでワークショップとかたまに参加させてもらっていますが、川崎の「花や蔦ひつじ」さん素晴らしいですよ!Instagramでチェックしてください。

(花や蔦ひつじのインスタを見て)すごい!ボリュームですね。でも、横須賀では売れないかなぁ(笑)。私もこういう作品を創りたいのですが道がなくて。購入してくださる方は横須賀の人っぽくない。目が肥えている人は即買いしてくれます。どこにお金を使うんだろう?食べ物には投資するのかも。

—私は花がないと嫌な人なので、そこに価値は感じています。子どものお花ワークショップとかやらないですか?

やりたいけれど値が張りますよね。横須賀って価格が高いとお金を払わない。今月25日の日曜日、浦賀の『喫茶 酒と宿と不動産屋」という所(横須賀市浦賀4-5-9 浦賀駅から徒歩6分 ダイソー斜め向かい)で「ぽんぽんマルシェ」を開催します。私は全部で10点くらい作品を出す予定です。他にもたくさん出店されていてワークショップもありますし、おいしいケーキなども販売されます。

目に見えないものを信じざるを得ない体験。

—ミンキチインタビューで皆さんにお聞きしていることですが、学校教育に何が必要だと思われますか?

私はあまり考えない。教育というか一緒に遊ぶ。ともに楽しみ、笑い、喜び、時に泥だらけになり、傷を負い、泣き、悲しむ。これが『遊び』で、イコール『学び』です。勉強とか学びという言葉が好きじゃない。遊びの延長だと思う。遊びから学び取っている。

—高校卒業後は何を学ばれたんですか?

短大で栄養学を。でも栄養士にはならなかった。私は小学校の頃から生物が大好きでね。小さい頃からずっと。高校時代に先生から「生物研究所に推薦したい」と言われたんですが、母に「変な細菌もってこられたら嫌だ」と反対されまして。そこからやりたいことがなくなってしまった。小学生の頃から教科書を開いて勉強したことがなかった。興味がなくて。中学になってから高校行くなら勉強しないとってなった。Bは生物と図工だけ。あとは全部C。何とかやる気になってオール3までがんばった。いっさい勉強しないで外で遊んで秘密基地つくっていたので。みんなのKICHIって聞いてピンときちゃったんです(笑)。

—生物が好きで、好きの行きついた先が植物雑貨だったという落ちがおもしろいですね。

作品というか、自然のものはそのままが綺麗。これ自体が美しい。私は現実的な人ですが、スピリチュアルに目覚めてしまった。あまり言わないようにしていますが、2021年8月に急性虫垂炎になってコロナ禍で緊急入院。オペをして今まで聞こえなかった声が聞こえるようになった。男女のゴーストです。小さい頃から病気がちで入院や手術は何度もしてきています。小学5年生の時に、腎盂腎炎という病気になって緊急入院。食事や運動の制限が半年から1年かかるところ、運よく1か月で退院できた。

—それは、勉強しなかったとおっしゃいましたが、教科書の勉強から離れざるを得なかったですよね。

健康の大切さ。学校に行けることのありがたさも感じた。読書の楽しさとか。教科書以外の勉強はすごくできました。中学になってから熱が出ると原因不明で手が曲がってしまったり。大きくなってから*HSPだとわかった。生まれ持っての気質で病気ではない。でも刺激を求めるタイプで**HSS型HSPという厄介なタイプなんです。

*HSP(Highly Sensitive Personの略):生まれつき感覚が鋭く、刺激に敏感な気質を持つ人のこと。
**HSS型HSP:好奇心旺盛だけど傷つきやすい特徴を持つ。刺激を求める自分と刺激に敏感で疲れやすい自分の矛盾に悩んでいる。

—そのゴーストはどんなことを言うんです?

馬鹿!とか意地悪なことを。作品もつくっているとへたくそ!とか言われます。何者?と聞いたり、喧嘩もします。何もわからないです。脳、精神の検査も受け医師から異常なしと診断。そこから、目に見えないものを否定できなくなった。一般的に、今まで見えない物、聴こえなかったものが見えたり聴こえるようになると頭(脳)または精神に問題があると思われがちです。私のような現実派の人でも、理屈では語れないことが起きている。世間で言う”霊感”を持つ人たちも満更ウソとは言えないかも……と感じています。でもまぁ、大抵は”ニセ霊感”でお金を取る人も多いので、用心しないといけませんね(笑)。

ゴーストは寝る瞬間までうるさいです。自分たちが神だと思っているみたい。ホタルみたいな青い玉も見たこともあります。ふわふわしていて。目に見えない世界の生き物も寄ってきているのかも。

—笑。ありがとうございました。


私のペンネームは星みちるですが、しのぶさんの旧姓も星さんと知り、その偶然にびっくり。変わったものが好きとおっしゃる通り、超個性的な魅力的な作品。顔面麻痺の後遺症が一日も早く快復されることを祈っています。ゴーストのその後もまた聞きたい!
(2025年5月取材・執筆/マザールあべみちこ)

取材の一部を音源データでご紹介します