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【KAKERUインタビュー No.69】

この夏小6の息子は中学受験目指して勝負の夏!教育格差といわれますが、わが家は一人親な上、息子の教育費支出は毎月莫大。夏季講習前など、ただでさえ残額のない銀行口座から一気に落とされるため「自動引き落とし攻撃」と呼んでいるほど(笑)。私自身は小中高と公立っ子として育ち、大学だけ私立でしたので決して「私立校崇拝」ではありませんが、ニッポンの将来と息子の資質を鑑がみる限り、自分で選択した環境で教育を受け、人間関係をつくるのは財産だと思っています。
今回は、昨春の激戦中学受験を超えられてきたコラムニストの河崎環さんをご紹介します。実は河崎さん、「あべんとう」をご利用いただいていたお客様。そのつながりで、私も陰ながら河崎さん親子を応援してまいりました。結果、見事に難関校を次々に合格。もともとのデキが違うのは勿論ですが、大手進学塾で講師として活躍されたこともある河崎さんの「中学受験の乗り越え方」は、とっても奥深い!根掘り葉掘りと、小6夏の勉強法やら、親子の過ごし方、中学受験の乗り越え方をお聞きしてみました。これから受験を考えるご家庭も必読です!

河崎 環【Tamaki Kawasaki】

河崎 環【Tamaki Kawasaki】
ライター/コラムニスト

1973年生。慶応義塾大学総合政策学部卒。北米遊学を経て、子育て関連のライター・コラムニストとして活躍。シリアスな教育問題、少年犯罪問題から父親の育児参加、世界の子育て文化事情、デザイン・書籍評論まで多彩な執筆を続けており、コラムエッセイや子育て相談にも定評がある。サイエンスと漫画を敬愛する中学女子と、お笑い体育会系男児の母。旧All About「子育て事情」ガイド。代表記事「団塊ジュニアが語る、郊外型子育ての実感」「モンスターペアレントの実態」
『何のために勉強するの』にどう答えますか」。
家族は、夫、長女(中1)、長男(4歳)。2009年秋から夫の転勤でスイスへ移住。

 
 
河崎さん自身も中学受験を超えてこられた経験者でいらして。今と昔(そんな前でもないけれど)、中学受験は何が変わったと思われますか。
 

私の受験は四半世紀前。大手学習塾の講師業は4年前まで関わっていたので、巷で騒がれる中学受験にはそれなりに知識があるつもりでしたが、娘の受験に保護者として関わるや否や、早々にそんな思い込みは撤回し、反省の涙に暮れました(笑)。

この30年間ほどで、中学受験の学習塾は大学受験予備校並みの緻密な情報化を遂げました。実際、学習塾でありながら自らを「中学受験予備校」と呼んだ大手塾もあるほど。それはもちろん30年にわたる前向きな企業努力の結果ではあるのですが、「学び」そのものが数値化され、例えばある御三家校に受かった子どもたちの上位何パーセントが6年生の4月の時点でどのような成績であったか、などの詳細な情報を塾は蓄積しているわけです。
すると、いま学習している子どもたちの学びもまた、順位はもちろん、科目ごと、得意不得意分野ごとに数値化されて、○○校に行きたかったらこの分野をあと20%得点できるようにならなければいけない。そのためにはこれこれの問題を解けるようになりましょう。といった詳細なフィードバックをされるわけです。それも毎週のように!

私の頃は厳しかった記憶とは言えまだまだ牧歌的で、漫然と試験を受けて、漠然と「全体で○位」という数字を見て、「よーし、算数が苦手だから頑張ろう」といったような、非常に感覚的な部分が残されていました。

 
わかります。5年生までは2週間に一度のテストも、6年生になると毎週末テストでどれだけできたか・できなかったかすべて数値化されます。その数字にがっかりするのは親ばかりで本人はケロリ〜ン。どっちかいうとうちの息子は時代に反して牧歌的に塾で過ごしているタイプです(笑)。
 

私の時代も、もちろん牧歌的な感覚的な受験準備でしたから、いわゆる「まぐれ合格」とか、塾に行かず家庭学習で難関校に合格するケースもよく見られました。成績はいつもいま一歩だったのに、なぜか女子御三家校に通うはめになってしまった私なんて、自他共に認める「まぐれ合格」の筆頭でしたから!

 
いえ、受験にまぐれはないです。運も実力のうちですし。子どもが少ないといいながら、保育園は公立が少なくてどこも激戦。でも、学校へあがれば私立を嗜好する家庭が多くて受験産業としては大儲かりですよね。でも人気校で合格者を一人でも多く輩出しようと塾同士も熾烈な競争で。
 

受験産業は、企業努力の当然の方向性として、合格の精度を上げようとするわけです。すると、あらゆる情報を蓄積して、データで分析するようになる。子どもたちの何年間かを預かり、相当な生活上の負担を与えるわけですから、効率的に学習させて、ちゃんと合格させるのが塾の使命なんです。でも、そんな大手塾主導の情報戦となった中学受験は、容赦がない(笑)。それぞれの「ウチの子」に対する親の思い(思い込みとも言いますが)はバッサリ斬られ、毎週末のテスト結果が出る度にデータで現実を突きつけられるんですから。確かに学習の効率は上がるし、データの信頼性も高い。受験情報も「こんなことまで教えてもらえるの?」というほど緻密ですし。でも、情報の精度が高いということは、のりしろ、つまり楽観の余地も失うということ。煽られたり、追い込まれたりしてしまうと、親子共々本当に辛いです。

 
その通りですね。わが家は一人っ子でありながら私が産後2ヵ月で仕事復帰して以降、ありとあらゆる手を使って家族をはじめ、たくさんの人に加担してもらって育ててきたので、あんまり息子に対する過度な期待がないというか(笑)。受験したいという息子に対して「決めたことは、しっかりやれ!」と喝は入れますが、「あなたは○○校に行かなくては!」という思いはない。塾は商売上、合格するために指導しますから、追い込みかけるのは無理ないですよね。問題は、親の受けとめ方で。数値的にダメなら、人生終わりなのかい?って(笑)。
 

結局ここまで情報が集積し、かつてに比べはるかに中学受験市場の規模が大きくなると、塾が持つ情報に親も子も、そして中学校までもがぶら下がる構造になります。勢い、受験準備も早期化します。今も昔も、関わる大人たちの熱意と、学ぶ当事者である子どもの笑顔や涙には変わりはありません。でも、良くも悪くも塾なしでは中学受験を乗り越えることなど考えられなくなったこと、これがここ30年間の一番の変化ではないでしょうか。

 
そうなんですね。私の小6時代は中学受験する子はほんの一握りで、ずばぬけて成績優秀か、とっても裕福なご家庭とか、一家でクリスチャンとか。いまやわが家のような家庭の子も受験するんだと新鮮な驚きがあるかも(笑)。サッカー6年間続けてやりたい、という息子の思いから始めた受験勉強ですが、私としては『貧乏だから公立に行くしかない』ってあきらめの構造を壊したい。自分で選んで、がんばってそこへ進むって体験は成長させると思うんです。ところで夏休みは、受験生にとってはただの夏。昨夏はどんなふうに過ごされました?
 

去年の夏は……必死でした。いえ、子どもがというよりも、私が(笑)。まず、娘は夏を通して午前中は個別指導、午後は大手塾で夜9時まで授業がありましたから、私の役目は運転手兼料理人。子どもの朝ゴハンが終わったら車で個別に送り、その間に昼食を準備してから迎えに行き、1時間ほどの中休みで今度は夕食となる塾弁を持たせて大手塾に送る……。下の子(弟)もまだ3歳でやんちゃ盛りだったので、娘の学習時間を確保するべく、娘が帰宅するまでに寝かしつけていました。そして娘が夜帰宅したら一日の学習の進度を確認し、出された課題に付き合うといった状態でした。

お盆はお盆で、今度は志望校別の短期集中講座。間にお弁当の時間を挟んで、朝から夕方まで8時間以上。娘の志望するコースは電車で一時間以上かかる都内の遠〜い教室で開催されましたが、送り迎えを夫に頼むなどして、みんなで乗り切りました。夏休みが終わったとき、しばらく「あれ? そういえば夏ってどうしてたっけ?」と思い出すことができなかったくらい重症で(笑)、本当に忙しかった。

 
聞いているだけで汗がでて、目が回りますね〜。下にチビちゃんがいらして、それも手が掛かる時期。受験するお嬢さんもすごく成長する夏でしたね。マザールの「あべんとう」もご発注いただいたのが7月頃からでしたね。
 

そうです。そんな夏がまさに始まるという時に、友人の紹介でマザールの「あべんとう」に出会ったのですが、どんなに助けられたことか! 夏季講習期間はもちろん、受験直前期までずっと、かなり頻繁に娘に美味しいお弁当を届けていただきました。思えば、「あべんとう」はもう一人の受験の伴走者でした。塾の先生も「あべんとう」を覚えてくれて、娘に「おっ、いいね、今日は『あべんとう』なの?」って声をかけてくれたりしたらしいです。だから、「あべんとう」を作ってくださった「うおたま・くうかい」のある霧が丘方面には、足を向けて寝られないんですよ(笑)。

 
ありがとうございます。おいしかった!これがあって助かった!という親子が増えてくださるといいなと思って続けています。この夏休み時期にしておくべきことのアドバイスをお願いします。
 

夏の優先事項は、もちろんそれぞれのお子さんの状況によって変わると思うのですが、受験業界では夏休みを「天王山」と呼んだり、「秋には夏の頑張りが出る」という呪文が定着するほど、夏に「積み上げる」学習が重要視されています。実際に夏が終わったとき、子どもの表情は少し変わって大人びていますから、私は12歳の夏ってスゴイもんだと舌を巻くのです。

「とにかく夏はモーレツに勉強した」という記憶は、その後直前期まで、娘や私の支えになってくれました。ですから、夏はまず不得意分野を洗い出して、ひたすら潰していくこと。その綿密な学習計画を立てた時点で既に勝負の3割は決まっている、といってもいいかもしれません。

 
やっぱり夏を制するものは受験を制すのですね〜。うちの息子は、テスト前さんざん勉強すると興奮して寝つきが悪くなるのですが、夏はそんな夜が続くと本物なのかも(笑)。娘さんの受験勉強は、ご家庭ではどのくらいどんなふうにサポートされてこられました?
 

娘の受験準備当時、よりによって夫は激務のピーク。平日はまず家にいない状態だったので、受験勉強のサポートは私が引き受けました。娘の塾は復習中心で、特にテストのふり返りが重要。できなかった問題の解きなおしが家庭学習の中心でした。「経験者だし、業界にもいたし、どうにかなるよー」と楽観視していましたが、すぐに前言撤回です(笑)。

というのも、娘の不得意教科と私の不得意教科がほぼ同じで、つまり「必要なときに役に立たない」。受験業界にいたときの担当教科は英語や国語。国語は基本的に私が見るよ、と言いましたが、国語は娘の得意教科だったので、全く必要としてもらえず。一方、お互いに不得意科目の社会で 「お母さん、九州の県って、みんな県庁所在地と県名が同じだよね?」と訊かれて、「あ〜〜……。(長ーい間)福岡って博多……じゃないよね確か」と大の大人にあるまじき怪しい答えっぷりで信用失墜(笑)。

算数も同様で、ある時娘と同じ問題を解いていて自分の頭が問題から逃げようとしていることに気づき、小6の4月、もう手に負えないと覚悟を決めました。そのまま個別指導塾に入会し、まずは算数、そして社会の指導を依頼しました。というわけで、勉強面でがっちりサポートしていたのは小64月までで、その後は生活面やスケジュール面でのサポートが中心になりました。それ以降、ちょこちょことしたことは私でも指導しましたが、高度なものは塾や個別の先生に聞きにいくようになり、母は心底「助かった……」という実感が。ありがたや。。。

 
うちは私が文系のみで何とか生き延びて、算数苦手なまま大人になってしまったこともあり。家庭学習は祖父が教職に就いていたこともあったので、何かと教えているようですが、私が入ると喧嘩になるので勉強は見れませんね。ノートの書き方や暗記の仕方くらいなら教えられるけれど、算数の解き方とかは特に……。ところで中学受験に掛かった概算費用は、どのくらいですか?お答えできる範囲で……。
 

最終的に3つ掛け持ちした学習塾の授業料、入学に関わる費用、それに面接の洋服代・写真代など普段の暮らしに派生した細かな費用も計算に入れると、500万円前後はかかったと思います。「私立中受験は高級外車一台分」と言われる通り、散財しました。道理で受験は一大産業になるわけですよ……。笑うしかないです!

 
やはり。私は怖くって総合計していないのですが、恐ろしい金額を塾に落としている(笑)。交通費や食費、その他モロモロ含めると莫大です。「そこまでして受験させたいの?」という方もいらっしゃいますが、現実的に受験するには、準備をしないとできないものになっている。サッカー好きだからといって、ボール一個与えていればうまくなるかというと無理で、やっぱり同じようにサッカーしたい子が集まっているチームに行かないとチームプレイは身につかないし、技術的にうまくならないのと同じ。たまたまうちは大手の進学塾に通って面倒みてもらっていますが、息子の実力に適しているかどうかは不明です。ただ、この時期に環境を変えてもダメなものはダメかなっと思って、そこで頑張ることにしていますが。河崎さんから、ぜひ塾の選び方についてアドバイスを。
 

中学受験生本人や家庭の様々なニーズに合わせて、多様な塾が出現しているのが今の状況ですが、受験を終了した保護者としてはやはり「ちゃんと納得のできる合格をサポートしてくれる塾」であることが第一条件だと思います。親の金銭的負担ももちろんですが、何よりも子どもに体力的・精神的負担をかけて合格を目指し取り組むことになる中学受験ですから、最後に「受験なんかするんじゃなかった」などというネガティブな感想を持つ結果に終わってしまうのは絶対に避けたいところです。

塾の知名度は、先ほどの「情報力」の一端を示してはいますが、知名度が高いとか難関校の合格者数が多いからと言って、どんなお子さんにも合うわけではありません。最優先したいのは「我が子をちゃんと合格させてくれる塾」を探すことです。その点でも、塾に入る時点でお子さんのおよその実力を知り、漠然とでも構わないので目標が見えているといいですね。

日々通うのはお子さんですから、お子さん自身が通いやすいと思う学習環境であること、お子さんの現在のレベルに合致し、目指すレベルの学校に熟知した塾であること、そしてお子さんの成績推移に応じた受験戦略を正確に提供できる講師がいること。規模が小さな学習塾でも、情報力も講義技術もしっかりと身に着けた先生がいる所はたくさんあります。

子どもの視点では、信頼できる先生と出会えると、精神的にも大きな助けとなります。子どもと直接コミュニケーションするのは先生ですから、この相性はとても大事。もちろん4科目もあれば科目の先生によって相性のよさの濃淡はありますが、いわゆる「担任」にあたる先生も含めて、先生たちがどれだけ熱意をもって子どもを見守ってくれるかが、子ども自身の頑張りに大きな影響を与えるものです。そういう先生は、「多感な時期の子どもを預かり指導する」という意識が高いので、子どもの状態にも、親の状態にも目配りが利いているのが特徴だと思います。

 
なるほど!とてもよくわかります。そもそも河崎さんが私立中学へ進学する目的とはどんなものでしたか?
 

因果なことに、私の実家も、夫の実家もともに「中学受験カルチャー」を持つ家でした。家族のほとんどが中学受験を経験し、私立や国立の中高から大学へ進学する人が多かったので、中学受験とは、当然するものだという認識だったわけです。特に女子に関しては御三家各校の出身者が全部親戚にいるというとんでもない状態で、これは特に娘にとってはハードルが高かったはず。ただ、そのために「私立中」に対して過度な期待を持たず、「まぁ学校っていろいろあるから(親戚もいろいろな人がいるし)自分が『ここでセイシュン送りたいぜ!』って思うところに行ったら?」という、クールなスタンスでした。

ですから、私立中へ進学する目的は、自分が送りたいと思う中高生活を広い選択肢の中から主体的に選び実現することであり、受験はその手段であると、受験前も今も思っています。また、多感な時期に、知的刺激に溢れた仲間達と過ごす長い学園生活の効用を、非常に高く評価しています。

 
すごい。受験も家系だったりするわけですね。お嬢さんが受験する学校を選択された理由とは?
 

選択の基準は、「ハンサムウーマンを育て、輩出してきた学校」または「これから輩出しそうな学校」でした。それから、多様性(帰国子女含む)を受け入れるタフなメンタリティ。均質ではない環境のほうが、発想がダイナミックになるよね、なんて。そうやって選ぶと、女子校・共学問わず、いわゆる伝統校よりも進学校のほうが多くなりました。

 
女子の場合は学校選びに幅がありますね。傾向として女子のほうが優秀ですし。では、中学受験に必要なスキルとは何でしょうか?子ども、親、両方教えてください。
 

もし受験など関係のない「学び」であれば、そこは自由に、それこそ画用紙に鼻歌を歌いながら絵を描きつけても充分に学びの効果があると思うのですが、受験には期限があるので、やはり効率的な学びが必要になります。
その点でも、いわゆる「美しいノート」が取れるスキルは、そのまま学習能力の高さにつながる技術です。子どものノートはそのまま子どもの頭の中身、つまり理解度や情報量が如実に出る場なので、昔先生によく言われた「字はきれいに書きましょう」「ノートは見やすく工夫しましょう」というお小言は、的を射ているんですね。
そして、ノートという小宇宙に秩序を保つことができる子どもは、やはり普段の生活にも秩序を保つことができるんですね。課題を期限までに終わらせることができるし、だから妙な無理もしないで勉強をこなせる。

 
むむむ。名前の書き方もひどかったりすると、それだけでペケッてことですね。
 

もちろんそんな素敵な能力は、いい加減な私にも娘にもなかったわけですよ(笑)。ですから小5で塾通いを始めたときは、もう娘のノートも私の生活もしっちゃかめっちゃか。でも、できれば無理のない快適な生活をしたいのが人の性ですから、楽するためにどうにか整理して状況をコントロールしようと、学習していくんですね。
一年間の学習を経て、6年生の時に見た娘のノートは私が驚くくらい読みやすく、まとまったものになっていました。家のあちこちに散在していた勉強道具は一箇所にまとめられ、綺麗にファイルされていました。そして私も、あれほど手帳を持たないアバウトな人間だったのに、きっちりと手帳スケジュール管理して、受験に限らずスーパーでの買い忘れもないようにとメモを書きとめて。必要から生まれた我流の手帳術だったのですが、受験直前はその手帳なしの生活はもう考えられないほど、そこに全てが詰まり、管理されていました。

私のいい加減な人生で唯一まともに管理されていた日々だったんですが、結局、効率よく、漏れや取りこぼしなくものごとを進めるには、ノートを綺麗に書けるようなまとめと管理のスキルが基本なのだと思います。ともすれば易きに流されがちな私も、身にしみて学習しました。

 
「東大生のノートは美しい」って本も売れていますもんね。頭にたたきこむには、まずノートの整理から。お子さんには、将来どんな方向に進み、どんな職業に就いてほしいと思われますか。
 

方向も職業も、どんなものでも構わないと思いますが、自分を大事にし、人を大事にし、自分を誇りに思える仕事を続けて欲しいと思います。それから、仕事でなくてもいいのですが、できれば世界のいろいろな場所や人を知って欲しいです。

 
ノートが整理されている子は、きっと将来の方向づけも整理できることでしょう!毎日ぐちゃぐちゃのランドセルの誰かさんにも、さっそく伝えます!最後に中学受験を控える親子へのメッセージをお願いします。
 

「受験終了」となったとき、親子で「あぁ面白かった!」と笑顔で言えますように。走り続けたお子さんが、満足のいく受験を遂げられますように。
受験は6年生の2月で終わる、期限のあるもの。永遠には続かないからこそ、これ以上ないというほど密接に子どもの生活に付き合い、熱く走り抜けられるのです。中学に入れば子どもはあっという間に一人で歩いていってしまいます。多くのお母さんが異口同音に言う通り、中学受験は「最後の二人三脚」なのですね。
受験を通してお子さんに何を伝えたいのか、何をもたらしたいのか、時々そこに立ち返って、軌道修正をすることも大切です。お子さんを管理するのではなく、お子さんの意思に寄り添うように走りたいですね。お互いに敬意を育んで、いつかお子さんが「僕(私)、中学受験であれだけ勉強してよかった」と思えれば、長期的な視点で見たとき、それが受験の成功なのだと思います。

 
ありがとうございました。 河崎さんの一つひとつのエピソードを噛み締めてお聞きしました!
うちの息子は、忘れん坊です。よくいえば屈託がなく、逆にいうと反省がない。それってテストの振り返りをしても、勉強したての時はわかったつもりになっても、すぐに忘れちゃうことにつながっている。でも、そのこだわりの無さ、誰とでもどこででも楽しく仲間になってしまうあっけらかんとしたところ、怒られても怒られてもヘコタレナイ(抜けていく?)はねっ返りの強さを、じっくり付き合ってもらえる環境で、認めて、自信をつけられるように伸ばしていければなぁ〜と願っています。
本番まであと半年。毎日が積み重ねです。勉強を見るよりも、おいしいものを作って食べさせることくらいしかできないけれど、親子で頑張る夏。ふつつかな親子ですが、見かけたらどうぞ応援してください。

10歳までに決まる!
「頭のいい子の育て方」
(学研)Vol.6,Vol.7

環境を整えることによって学力はもっと伸びる!(ほんとに?)という日常アイデアをふんだんに伝授したムック本。ここで河崎さんの受験Vロード実録ドキュメントも掲載された。6年生の1年間は短く、夏の過ごし方がいかに鍵を握るのかがよくわかる。
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★河崎さん推薦図書
「この私が合格させる! 4年生・5年生編」
(双葉社)

大人気ブログから飛び出した“中学受験母”二人のホンネ奮闘記第2弾。読者を笑わせ、泣かせた二組の親子の物語(前巻は6年生の一年間)は4年生の春まで遡り、5年生終了までの二年間が描かれる。
★河崎さん推薦図書
「中学受験マザーズの超リアル奮戦記 この私が合格させる!」
(双葉社)

大人気ブログから飛び出した“戦友”母ふたりの中学受験奮戦記。成績不振のわが子が難関校に合格するまで、母はどう戦ったのか――偏差値アップの秘訣や塾とのつきあい方から、切なく苦しい胸の内までリアルな言葉で綴られた受験生活の全貌を公開!
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