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【KAKERUインタビュー No.46】

会うたびにハグされて、パワーをいっぱいもらえる。今回ご紹介する中村慶さんは、性別や国境を超えた不思議なキャラクター。日本だけでなく、NYでも同じテンションで関わる人をトリコにします。書道を極めているプロフェッショナルは、この日本に五万といらっしゃるかもしれませんが、書をアートに昇華し、太鼓も演奏し、即興でパフォーマンスもでき、子どもたちの潜在能力を引き出して、楽しく指導できるトレーナーの才能をもつ人は、二人といないと思います。
マザールでは、今夏サンケイリビング新聞社・あんふぁん主催の夏休みイベントに、いくつかのプログラムを企画運営協力をしています。その中のひとつが、中村慶さん講師の「書道で一筆!」。『ありがとう』という言葉をはがきに書こうという感謝プロジェクト。ありがとうって書くだけで、心が素直になるのって不思議です。墨を芸術にした、中村慶さんをご紹介します。

中村慶【Kei Nakamura】墨アーティスト 中村慶【Kei Nakamura】

墨アーティスト

東京都在住。日本女子体育短期大学卒業。高校時代より、近代詩文章を書道に取り入れた「創玄書道会」 永守蒼穹(ながもりそうきゅう)に師事し約10年にわたり芸術書道を学ぶ。東京都美術館開催創玄書道会 主催「創玄展」、毎日新聞社主催「毎日書道展」に近代詩文章作品を中心として出品するなどの活動を行う。 2001年から始まった、小学生から高校生を対象としたインターナショナル・サマーキャンプ「ミステリオ」での、 アクティビティーディレクターとして、書道・太鼓のクラスを受け持つ。 書道や太鼓演奏を通して「自己表現」を楽しむことをキャンパーに伝える。書道は、上手に書く習字ではなく、 書道を芸術として捉え、その時の気分を、筆で表現するプログラムを提供する。
その他、NYで墨アーティストとして活動する。墨での抽象表現の作品や、「イメー字」と称した文字をイメージ 画にした作品「こころ」・「愛・調和」などがある。墨アートのワークショップでのボランティア活動で、NYチルドレンズホスピタルやマンハッタンにあるリーボックスポーツクラブそしてNY、コネチカット州の小学校など訪れている。 2005年には、NYで毎年9月11日に開催されている『NY・セプテンバーコンサート』参加。『涙そうそう』他をワールドステージで歌う。
2008年からは、NPOラブ・ザ・ワールドコミニュケーションでの活動を中心としている。
 
慶さんには、ミステリオで息子がお世話になっております。現在手がけている「墨アート」をはじめたのは、何がきっかけでその道へ?
 
2001年11月に初めてNYに行きました。グラウンドゼロの前に立った時、このようなことが二度と起こらない為に、私に出来ることは何だろうと思いました。アーティストとして何ができるのだろう?と。その翌年からNYのチルドレンズホスピタルでの、書道&太鼓のワークショップのボランティア活動が始まりました。英語はほとんど話せない私ですが、家族と呼べるたくさんの友人をつくることができました。
そのような体験から、私たちは、国としてではなく、一人の人として出会った時、国を越え、言葉や文化、宗教を越えハグできる関係を築けるのではないかと思いました。人である限りHug出来る関係であると信じたい。その可能性を信じたいと思いました。そんな想いを抱いてから、私の作品が言葉でなく抽象的な表現に変わっていきました。
いつも慶さんには会うたびにハグされて、言葉ではなくて体温とか触感に癒され、圧倒されます。ハグというコミュニケーションって、日本人だと恥ずかしいというか……なかなか体現できる人は少ないですが、躊躇なくできる理由は?
 
人が好きだからです。そして、言葉では表しきれない気持ちを伝えることが出来るように思うからです。 英語が出来ない私が、NYにボランティア活動で滞在中、アメリカ始め、NYで暮らすいろいろな国の方々にお世話になりました。とても温かい感謝の想いをたくさんしました。うまく言葉で感謝を伝えられない分、Hugで感謝の気持ちを伝えました。
 
英語が堪能でなくても、ハグは会話以上に語ることができるということですね?
 

こんなことがありました。NYで暮らす日本の友人が、私の国を越えた友人たちに『何で、あなたたちは、英語を話せないケイと友人なの?』『何でみんなケイをすきなの?』と聞いたところ、『ケイのHugが本物だからさっ!』とみんなが答えたのだそうです。

 
書道という形式ではなく、墨をアートにしたり、太鼓をしたり、もちろん海外をステージにしているところもすごいな〜と思います。
 

自分にぴったりの自己表現が言葉で表せなくなったことから、『墨アート』と題して抽象的な作品を生み出し始めました。墨と筆の世界は大好きです。私にとって海外での活動は、言葉を超えて、心通じることの出来る『人と人』の間に生まれる可能性を見出せる大切なステージです。

 
慶さんに指導されて、その子本来の字が書けるようになったという事例がいくつもあります。
 

私は、あくまでもサポートするだけです。子どもたちの想いが、心から腕へそして、筆先へスーッと流れるように。心にリズムが生まれるように、そのリズムで思い切り筆を動かせるようにサポートするのみです。

 
慶さんのその素晴らしいキャラクターは、慶さんがお育ちになった家庭環境の影響を強く受けられているように思います。
 

父は生粋の職人で、大工をしています。職の無い人を家に連れてきて食事と仕事面倒を見て、一人前に生活していけるようになるまでサポートしていたこともありました。我が家は、私を含めてきょうだい4人、母、祖父母もいる大家族でした。近所づきあいも多くて、おすそわけしたりは日常の出来事。毎年、年末にはお餅つきをして、ご近所のみなさんにお配りしています。

 
でも、そういうあたたかさをしっかり受け継いでおられる。
 

自分が生きているということは、周りすべてに私の存在を受け入れてもらっている。許してもらっているということだと思うのです。『何だろう、あの人』。と、まれに思うような時、「そうだっ、私だって許されいる存在なんだ」っと思い出して気持ちをよく保つようにしています。

 
2008年はNPOラブ・ザ・ワールドコミニュケーションの活動を中心にされていらっしゃるとのことですが、具体的にどんな活動を?
 

「いま、私たちが世界の困っている子どもたちにできることは?」という想いから、誰でも気軽に、 エンターテイメントを通して「楽しみながらできる社会貢献」はないか?と考え、第一弾として送り出したのがHappy Rice(ハッピーライス)というweb事業です。目的のひとつは教育向上。正しい漢字を身につけ日本語の文章力・理解力を高めること。もうひとつは飢餓救済。世界の子どもたちの飢餓救済のために寄付を行うことです。
web画面の問題に一問正解するごとに、50粒のお米が「地球のハラペコを救え。」キャンペーンを通じて寄付されます。
とっても楽しく、意義深い活動なので、ぜひHappy Rice(ハッピーライス)へアクセスしてみてください。

 

なるほど、ありがとうございました。
私が小中学生の時に出会った、何人かの素晴らしい学校の先生は、慶さんのように理屈ではなく、包み込むようなあたたかさを感じる方でした。慶さんと過ごす書の時間は、何かを教え込むとか、覚えさせることでなく、心がパァ〜ッと開放されるような気持ちよさがあります。まだ文字が書けない幼い子でも、きっと「ありがとう」を伝えたくなる墨パワー。夏休みイベントで慶さんに会いにきてください!


■あんふぁん夏休み八重洲イベント
『やえすキッズパーク』開催
八重洲地下街に出現する「やえすキッズパーク」に遊びにきませんか?
着ぐるみや、ブロック教室、キッズ向けのカルチャー教室などを用意。
皆さんをお待ちしています!
(以下は、マザールが企画運営の協力をしている3プログラムです。
 日程にご注意くださいませ )

期間:2008年8月6日(水)〜19日(火)の2週間
場所:JR東京駅隣接・八重洲南口センタースポット
主催:サンケイリビング新聞社「あんふぁん」

*けしごむハンコで残暑見舞いはがきづくり 8月11日(月)11時〜12時
子どもが描いた素朴な絵をママやパパに、ハンコとして彫ってもらい、出来上がったスタンプを子どもたちにペタペタとハガキに押してもらいます。夏ならではの「花火」や「魚」のモチーフも用意しているので、参加してすぐけしごむハンコのトリコになってしまいそう!
(講師:バンビーさん・マザール「ナラオ!」講師)

*書道で一筆 8月12日(火)11時〜12時
誰かに感謝する心を言葉で表す「ありがとう」。文字を習っていない子どもでも、筆で表現することに興味を示します。はがきに筆で「ありがとう」と書いて、だいすきなあの人に伝えてみましょう。
(講師:中村小慶さん・墨アーティスト)

*親子「たべものかるた」大会 8月15日(土)16日(日)いずれも13時〜14時
「たべものかるた」は、絵札・読み札ともに裏表ある、世界に一つだけの「アイデアかるた」。絵札の裏面には、絵本にちなんだ「ものがたりメニュー」が、読み札の裏面にはそのレシピが書かれていて、レシピカードとしても利用できるスグレモノ。会場では、親子でカルタ取りを楽しんでいただきます。
(進行:あべみちこさん・マザール代表)


 

慶さんがディレクターとして参加するミステリオ一日体験でも、「ありがとう」の一筆プログラムを開催

「エナジー」
たいせつな人を送り出す時のパワーをイメージした。

「生きる」
人の生きるパワーは、天をも突き抜ける。そのパワーは、誰もが持っている。

「育む・Hug」
母が子を抱く腕・あなたに逢えてうれしい・あなたに逢いたい。

「こころ」
あなたに逢えてこころを持った。逢えてうれしい・あなたに逢いたい。

「人」
私たちは、言葉を超えHugしあえる可能性をもつ。

「バランス」
人が人と共に生きるには、3つのバランス。白・黒 よい・わるい より3つがいい。

「愛」
愛情を波動をうみ伝わる。その波動は強く、あたたかく人に生きる力を与える。

 
 

 

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