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【KAKERUインタビュー No.44】
いよいよ6月から試行開始予定『あんしん・あんぜん・あたらしい』がキャッチの、スローフード弁当のデリバリーサービス「あべんとう」。今回ご紹介するのは、製造元である「うおたま&くうかい」の店主・西原聡さんです。私の住む横浜市緑区霧が丘で、長年看板を張ってご商売をされています。その味は定評高く、地元の人だけでなく、神奈川県内全域からお客さんがお越しになるのだとか。「横浜都民」だった私は、朝バスの中からお店の看板を眺めているだけに過ぎませんでしたが、「あべんとう」でコラボするにあたり、改めて「うおたま&くうかい」さんへ何度も通ううち「食」の奥深さを思い知りました。空腹を満たすだけの食事、安い食べ物だけを求める消費者。健康に生きていくためには考え直さなくてはいけない問題がたくさん見えてきました。西原さんのこだわる「食」について、お聞きしました。
西原聡【Satoshi Nishihara】料理人/「うおたま&くうかい」店主

西原聡【Satoshi Nishihara】

料理人・
「うおたま&くうかい」店主
「くうかい」HP

1954年福岡県生まれ、神奈川県育ち。水産系の大学を卒業後、横浜市内の老舗鮮魚店に18年勤める。1994年に「創作料理うおたま」を緑区霧が丘にオープン。その後、自身の花粉症(アレルギー)に苦しみ、体質改善のために雑穀料理も手がけるように。2005年雑穀(つぶつぶ)料理「くうかい」の看板も掲げ、仕出し弁当やお惣菜の充実を図る。食材選びには人一倍こだわりをもち、日夜よりよい仕入先を探して奔走中。
家族は、妻、長女(中1)、長男(小4)。

 
姪っ子が3歳頃に「うおたま」さんがオープンされて、おいしくて足繁く通った時代がありました。その姪も高校3年生のお年頃になって。ずいぶん歴史を重ねてらしたんだなぁという思いがありますが、この地域でお魚料理といえば「うおたま」さんで。最近は雑穀料理も人気でどちらもウリですよね。
 
今は「うおたま&くうかい」という看板でお店をやっていますが、お宅はお弁当屋さんですか?とか聞かれることも度々あります。お弁当も販売していますが、魚料理と雑穀料理の両方を手掛けています。時代の流れもあって、店内での飲食だけでなく、お弁当のニーズも高くて、事業所や学校、一般のご家庭へのお弁当のデリバリーもしています。
 
料理人としてのイメージが強いのですが、その前に魚屋さんとして長い歴史があったのですね。
 
僕が勤めていた魚屋は、青葉区の老舗商店。遠方からはるばる新鮮な魚目当てで訪れる人も多いんです。そこで魚をさばいていたので、魚さばきはお手の物。冷凍物を一切扱わず、生の魚ばかりを扱っていたので。カジキマグロのおいしさもその辺のスーパーとかで買うよりも全然味が違います。
 
お店を出そうとされたキッカケは?
 
店を出せば、ずっとこの先札束を握ったお客さまが列をなしてひしめく図をイメージして開業しました。ですが、現実は甘くなかったですね(笑)。うちの場合は、飲酒規制があって客足に響きました。それでも霧が丘界隈、店から徒歩10分圏内のお客様は来てくださいましたが、夜のお食事でお車のお客様が減ったのは痛手でしたね。で、いろいろ商売の方向転換も図りました。
 
どんな仕事でも、立ち上げるまではそれなりのパッションがあればできますが、本当の実力を試されるのって継続していくことができるかなんですよね。それで、雑穀料理を手掛けられるようになったのは?
 

3〜4年前からですね。僕が花粉症アレルギーでかれこれ20年以上苦しんでいます。それまでは肉や魚のタンパク質が食の中心で、炭酸飲料も大好き。甘いもの大好き!と脂肪率の高い食をしていましたが、年齢と共にアレルギーがひどくなって、ちょっと体のために食を考え直さないといけないな、と。それで、雑穀料理を取り入れて、野菜中心の食に変換したら、症状もよくなってきたんですね。

 
やっぱり日頃の食生活は大きいわけですね。店の看板はふたつになってからの、お客様の反応は?
 
雑穀料理と魚料理って、実は相反する世界なんです。体を思って雑穀料理にする人は、タンパク質は取らないのが基本。こだわる人は自炊し、外食は避けます。でも、自炊だけだと何だか行き詰まる時もありますよね。例えば、奥さんは雑穀料理、旦那さんは普段通りのご飯を食べたいという時、選択肢のあるうちのような店は便利みたいです。
あと、お弁当のテイクアウトは男の人でも、雑穀料理のを指定してお買い上げになる方が多いです。脂っぽくないからでしょうかね。時代的なニーズもあるかもしれませんが、雑穀料理のニーズは高いです。
 
店内では持ち込みのアルコールもOKとか。
 
はい。お持込みはOKです。例えば、一升瓶を持ち込みの場合、半分お飲みになっていただき、もう半分は店のほうに頂きます。全部飲んじゃった場合は、半分から料金発生となります。ブランド指定は特にしていませんが、そこそこおいしいお酒をお持込みいただくのが通常です。あんまり安いお酒を持ってこられても困ります(笑)。
 
大手のフランチャイズのお店ではあり得ないサービスですね。朝市もやってますよね。
 
月1回最終土曜日の午前10時から開催しています。お魚、パン、お花、スイーツなどを特別に販売しています。パンは無添加、天然酵母。お花から取った酵母を使ってパン作りをしているんですよ。食パンは300〜450円しますが、スーパーで売っているパンと違ってズッシリ、モッチリ重みが違います。他、この朝市でしか買えないお買い得なオリジナル商品ばかりです。
 
ちなみに西原さんのお子さん二人ともお料理好きですか?
 
小さい頃、子ども用の包丁を買ってあげました。包丁握って料理作るのって、うちの子に限らず皆好きなんじゃないかな。親に余裕がないと、つい取り上げてしまうけれど。キッズ料理教室はこれからどんどん需要があると思いますね。
 
そういう講座もこの土地でぜひ手がけてほしいなと思います。では、最後に、西原さんがこれから取り組まれたいこととは?
 
お店をカテゴリーごとに2つか3つに店舗を分けたいですね。お惣菜、雑穀、魚料理と。何よりもお客様に「おいしい!」と言っていただけることが励みです。僕は食材へのこだわりは強いので、インターネットとかに出ない材料を探して日々クチコミとかも頼って奔走しています。顔の見える、確かなものを使いたいんです。
 
ありがとうございました!

これから始める「あべんとう」は、学習塾に通う子どもをはじめ、この地域で過ごすご高齢の方へ届けるお弁当。「うおたま&くうかい」さんでも仕出し弁当は既に展開しています。でも、使い捨てでないお弁当箱で、毎回メッセージがついていて、お弁当を通じてゴールドリボン運動へ寄付できる社会貢献みたいなお弁当って、あるようで無かった。すごく意義があって、味へのこだわりはもちろんですが、コンビニでは買えない仕掛けが魅力です。自分が生きていくこの土地で、次の世代を育てていくためにも「あべんとう」を通じて何かを感じてもらえればうれしいです。

■ 「創作魚料理 うおたま&つぶつぶ雑穀料理 くうかい」
横浜市緑区霧が丘1−17−6 (青葉台駅、十日市場駅より23系統若葉台中央行きバス乗車、  萱場公園前下車すぐ)
0120−590−343  045−922−6130
営業日:火〜日・祭日 毎週月曜日定休 
営業時間:11時〜14時(ランチ) 17時〜21時(お食事)
※ラストオーダーは21時 ※仕出・ケータリング・お弁当はお気軽にご相談ください
 

んしん・んぜん・たらしい」の「あ」を頭の文字にとった「べんとう」。コンビニ弁当にはない、あたたかさと手作り感、そして弁当を通して誰かの役に立つことのできる画期的なお弁当です。このマークが目印!

<写真のメニュー例>
六穀ごはん、九州産アジフライ、九州産さわらの西京焼き、北海道ポテトサラダ、 静岡のおばあちゃんの手切り天日干し切り干し大根

国内産、地場産の安全な食材を求めています。産地の明確な安全・安心な食べ物を安定的に供給しています

青い暖簾の中は、お惣菜テイクアウトコーナーです

毎日のメニューは表に手書きの看板がでます

この日の日替わりランチは、五穀米とお味噌汁、お魚のフライの他は野菜中心

焼き魚の他、煮物、和えものも充実したお惣菜

ご夫婦のツーショット。食べ物が違うせいか、本当に肌がキレイでお若いです!

 

 

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