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秦さんのコンサート、前売りチケットが本番1ヶ月前に完売したとかで大盛況ですね。おめでとうございます。中村さんがこうした企画制作を手がけるNYパワーハウスを始められたのはいつ頃からですか。 |
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私は13年間NYで生活して2001年に帰国。その年から活動をスタートしました。何せ13年も日本に不在の時期があったので、身近に友達はいないし、自分の居場所がないのでは……と日本に帰国することに恐怖心がありまして。 |
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こういう業種を選ばれたのは何かキッカケがおありですか? |
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直接的には大学時代の後輩が2日間スタジオでレコーディングしたのに付き合ったのがキッカケです。もともと学生時代から演劇をやっており、中村雅俊さんも参加していたモデルプロダクション(MP)では、私はライティング(照明)を担当したり、とにかく演劇や音楽が大好きで。赴任先のロンドンやNYでもミュージカルやクラシック音楽など好きでよく観ていたんですね。東京へ戻ってきて、外国タレントに高いお金を払って聴いている日本の状況に何か違うのじゃないか?もっと日本に才能のある人がいるのではないか?そういう人を発掘し、紹介していきたい、と考えるようになりました。 |
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専業主婦として過ごされてきた時間が長くて、起業をされたのはすごくエネルギーが必要だったのでは? |
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NYパワーハウスを立ち上げるまでの生活は、子どもや家族中心で。子どものPTA活動や地域のボランティアもとても一生懸命にやってきました。でも、そこで出会った人たちとのご縁も、すごく今の仕事に役立っています。無理やりエネルギーを作り出したというより、もともとあったエネルギーを形にしてみたら、起業だったという感じです。 |
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2001年3月に帰国されたということで、テロがあったのは9月でしたね。その当時は、日本にいらしてニュースをお知りになった? |
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テロのあった9月11日の前日に遊びに行っていたNYから戻って、そのニュースを日本で知りました。WTCのオフィスに勤めていた知り合いを2人亡くしました。9月15日に秦万里子のコンサートを予定していたので、それをチャリティーコンサートにして報酬をニューヨークに贈りました。テロのことは、しばらくショックから立ち直れませんでした。
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以後たくさんのコンサートを手がけていらっしゃいますが、アーティストのハンティングはどういうふうに行われているのですか。 |
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私を感動させてくれる人。それだけです。ジャンルは問いません。 |
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シンプルですね。では、中村さんがこうした仕事を立ち上げられて、これまで続けてこられている秘訣は何でしょう? |
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良い人と出会う運が強いんですね。アーティストもそうですけれど、アーティストではない友人とか、仕事上で巡り会う人に本当に恵まれてきました。もちろん家族にも。下の娘が18歳になるまで、家の事を中心でやってきましたので今は、家事は疎かになっていますが(笑)、家族は皆協力的ですし応援してくれます。 |
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家族が認めているのは、中村さんがやるべきことはキッチリ人生の中でやってきたからこそ、という気がします。素敵なお家にお住まいで、ご家族も健康で、何でもお持ちで……これ以上、何も望むことなんてないんじゃないか?というくらい、うらやましいライフスタイルですが、中村さんにとっての成功の証とは、どんなことですか。 |
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成功の証なんて、考えたことはありません(笑)。仕事で行く先の地方では、一番安いビジネスホテルに泊まりますし、セレブみたいな身分ではありませんよ(笑)。目の前のことを一つひとつ、心をこめて丁寧にこなしてきたら、世間が少し認めてくれるようになったのだと受けとめていますし、これからも同じように何事も謙虚に取り組んでいきたいと思っています。そうすることで、自分が育てたアーティストが世間に認められたら、こんなにうれしいことはありません。アーティストに限らず、自分が関わってきた人が有名になること。たとえそのときに、自分の手が離れていたとしてもいいので。
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なるほど。すごく人間的なつながりを重視されていらっしゃいますね。秦万里子さんとの出会いはいつ頃に? |
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2001年、帰国してすぐある人から紹介を受けまして。「超おもしろいアーティストがいる」って。会ってみたら本当でした(笑)。で、2001年に秦の弟子になって、コーラス隊として歌ったことがあるんです。私は、舞台が好きなんですね。でも、あまりにも歌が下手だったので、2回ほどステージに立って辞めましたけれど(笑)。
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今日のコンサート(2007.1.14の松竹梅コンサート)も日経新聞(2007.1.11付け)に掲載される前に、12月末で既に前売りチケットが完売されていたとかで。300人強収容するホールですし、すごいパワーですよね。 |
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清流出版発行の主婦たちへ贈る心マガジン「月刊清流」という雑誌で取り上げられた後、The
Familyという新聞で一面インタビュー記事掲載していただいて、おかげさまで4日間でチケット完売しました。1月になって日経の記事を読まれてチケットお問い合わせいただいた方にも、販売終了を申し上げるのは心苦しかったのですが、会場のHakujuホールのご厚意により、3月30日(金)にまた秦万里子のコンサートが開催されることになりました!1月にお越しいただけなかった方から既に前売り券をお申し込みいただいているので、お早めにご予約ください。
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ありがとうございました。
中村さんは、NYでの生活を経てご自分の性格が「白黒ハッキリつけるようになった」とおっしゃっていました。曖昧なことを言ったり言われたりするのが苦手な、その気風のよさが人を惹きつけるチャームポイントなのだと思います。秦さんも天才的なアーティストですが、その天才と共に活動する中村裕子さんの今後に注目したいです。もちろん3月のコンサートも私は必ず伺います! |
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